厚生労働省 造血幹細胞移植医療体制整備事業
造血幹細胞移植推進地域拠点病院
広島大学病院
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血液内科

広島大学病院血液内科では、総合的な血液内科チームとして「常に患者さんの福利を第一に行動する」ことを診療理念としており、最近は年間約400〜500名の新患を迎えています。

当科では日本造血細胞・免疫細胞療法学会/日本骨髄バンクが認定する非血縁者間造血幹細胞移植を施行する診療科として、年間約20例程度の同種造血幹細胞移植を行っており、輸血部・手術部・MEセンターの支援を得て、ほぼ同数の造血細胞(骨髄・末梢血幹細胞)採取を実施しています。また毎週、医師、看護師、造血細胞移植コーディネーター(HCTC)、緩和ケアチーム、口腔ケアチーム、リハビリテーションチーム、薬剤師、医療ソーシャルワーカー等が参加する多職種カンファレンスを開催しており、それぞれの症例に応じたきめ細かいプランを策定し、チーム一丸となって移植成績の向上を図っています。加えて、血縁者間移植を計画する際のため、血縁ドナー専門外来を開設しており、ドナー候補者の方の自由意思を最大限に尊重し、十分な倫理的配慮のもと、HLA検査を行う前の段階より、HCTCとドナー担当医師によるきめ細かいドナーコーディネートを行っています。

当科における移植の特徴として、全身放射線照射を用いない毒性減弱型の骨髄破壊的前処置を標準レジメンとしていることが挙げられ、治療強度を保ちながらできるかぎり安全な移植治療を提供することを心がけております。60歳以上の患者さんやハイリスク疾患に対する移植にも積極的に取り組んでおり、比較的良好な成績が得られています。また、特に青壮年の患者さんには、広島大学病院がん治療センター青春期・若年成人(AYA)世代がん部門と連携をしながら、教育支援、妊孕性カウンセリング・温存施設紹介、アピアランスケア、就労支援などのサービスを提供しております。また、造血幹細胞移植を受けた患者さんの長期フォローアップ(LTFU)外来では、移植後の遅発性合併症のスクリーニングを行うとともに、広島市内の診療所と連携して系統的な予防接種も実施しております。

患者さん・ご家族に寄り添いながら質の高い移植を提供し、一人でも多くの血液疾患の患者さんの命を救うため、また広島県・中国地方の同種造血幹細胞移植の治療成績の向上に向けて、精進を重ねて参ります。